飲食求道(おんじきぐどう)を進む
◎ 私は、常日頃料理に携わるものとして、日本料理の5法(生・煮・焼・揚・蒸)の奥深さに魅せられてきました。であるが故に、その魅力を若い人たちに伝えたい。また、5法の実践学習を通じ、日本料理の伝統を引き継ぎ、料理人としての必要な感性を豊かに備えた後輩を育てたいという思いを深めてまいりました。
◎ 会員制NPO法人 料理寺子屋「一滴」の設立
このため、宮城県岩沼市の拙宅を改造し、平成19年10月に会員制の料理寺子屋「一滴」を開講、平成23年9月にはNPO法人認可を受け、現在に至るまで、活動を続けております。
◎ 「一滴」の会員
この寺子屋「一滴」に通う会員は20代から50代の20名。この中には「一滴」開設以来の会員も3名おり、一方今年入塾した会員も1名というように、「一滴」での学習歴は様々です。しかし、いずれもプロの料理人として、ある者は自らの店を持ち、またある者は料亭の看板料理人として活躍しており、それぞれ、探求心・向上心の旺盛な者ばかりです。
◎ 「一滴」の学習期間とカリキュラム
「一滴」には卒業という概念は有りません。料理人は生涯学ぶべきと考えるからです。料理道は、まさに「飲食求道(おんじきぐどう)」と心得るからです。
ここでは、1年毎にその年のテーマを定め、それに基づき、毎月2回、各2時間(食材知識・料理知識各1時間)の座学を行っています。
改めて、今までの講義録(レジュメ)を繰ってみますと合計で480本を超えました。すなわち、この10年間で480回以上の講座を開いたという事になり、我ながらよく続いたものだと、改めて思います。
ここに、「一滴」での講座風景を紹介いたします。
料理の道を究めようとする者達の真摯さ、熱心さの一端が皆様に伝われば幸いです。
◎ これからも続けたい「感性豊かな人材育成」
私も、いつまで包丁を握ることができるかを気にする年になりました。
しかしながら、まだまだ後進に伝えたい、習得してもらいたいものが沢山あります。
これからも、気持ちと体が許す限り、NPO法人料理寺子屋「一滴」を活動拠点として、自らも日本料理の神髄を学ぶとともに、「感性豊かな人材」を育てていきたいと考えております。