令和2年度通常総会の開催にあったって

 令和の時代となって2年目となりました。
 昨年は、7月に西日本豪雨・9月に台風19号の大水害・10月に東日本豪雨と絶え間なく深刻な自然災害に見舞われました。その爪痕は未だ癒えておりません。
 今年は年明けから新型コロナウイルスが広がり、WHOからは感染爆発を意味するパンデミック宣言が出され未だに終息の目途がたっていません。
 私は過去の歴史からみて、「30〜40年単位で時代が変わる」と申し上げてきました。経済は30年単位、戦争・紛争は40年周期で起きているからです。今年はこの30年周期と40年周期が重なる不気味な年です。さらに環境問題が加わりました。今は新型コロナウイルスで怯えていますが、夏以降は大型台風を覚悟しなければなりません。さらに首都圏直下型地震も警戒する必要があります。とても東京オリンピック、パラリンピックの開催どころではありません。これ以上の災禍がないことを願うばかりです。
 災禍の多くは天災ではなく人災です。災禍の起こす要因が人であるならば解決するのも人間です。私たちのものづくりも時代の流れ、環境に大きく左右されていきます。
 今後、各々のポジションにいるリーダーの役割と責任が重要になります。将来を予測して事態に備える、問題発生には的確・敏速な対応をしていくことが求められてきます。技能士の世界においてこの先導的役割を果たすのは全技連マイスターの方々です。
 ところで先般、私は全技連の財政が今年度末にも破綻する危機にあること知り会費改定を提案しました。が、「唐突であり会員から理解されない」ということで原案及び修正案とも白紙撤回されました。私は混乱の責任を取り辞任を申し出ましたが否決されました。
 ご案内の通り、現在、全技連の会費は一人当たりに換算すると70円弱になります。しかし今回の提案で年間100円の会費でも高いと感じる会員が多いことを知り、驚くとともに、技能士会の継続意義、役割を改めて考えさせられているところです。
対してマイスター会は? 現在、マイスター会は一人年間1万円の会費を頂いています。高いと思う人もいるかもしれません。これは全技連マイスター創設に尽力した先輩方の高い志、目標から決めたものです。匠の技を極め名工を目指し高度技能を継承する、人間性豊かな後輩技能士の指導・育成に努める、社会的貢献を広め技能士の評価を高める、褒章や叙勲等該当者を増やし社会的地位の向上につなげていくという決意でした。
改めて諸先輩の創設した原点に戻り、技能士会会員への精神的影響力を発揮し、被災地等への社会貢献ができればと願っています。実りある総会となることを祈念します。