会長挨拶



 今年も全技連マイスター会総会を元気に迎えることができました。
 日頃、我が国の優れた技能の伝承と後継者の育成にご尽力いただいております皆様に改めて敬意と心からの感謝を申し上げます。平成18年7月20日に発足した全技連マイスター会も10年目を迎えた昨年を一つの節目として、新たな10年に向けた歩みを始めております。

量から質への転換時代到来
 いま日本では、人手不足を背景とした長時間労働の是正、同一労働同一賃金を柱とする働き方改革が進んでいます。これまで残業や徹夜してでも高賃金を求める人たちは激減し、余裕ある時間を確保して人生を楽しむ労働志向に変わっています。
 ものづくりの現場にも大きな変化が見られます。統一規格、大量生産、価格競争の時代から個性企画、少量多品種生産、品質競争への転換です。高品質の本物だけが高い評価を受け、支持され、生き残れる時代がきました。匠の技に携わる者にとっては遅きに失したと言いたい位です。
 今年も日本には多くの観光客が訪れています。日本の文化を楽しんでいる姿を見るのも嬉しいものです。そして何よりも衣食住工の高品質商品が街にあふれるばかりに並んでいることに驚くそうです。これも匠の技に負うところが大きいのです。

予断を許さぬ世界の政治・経済
 今年トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に就任して以降、世界の政治、経済の状況が大きく変わろうとしています。アメリカ第一主義を唱えるトランプ氏は特定国を対象とした関税措置、入国禁止令等発言を乱発。グローバル化の時代に逆行するような政策を展開しています。ロシアのプーチン氏はシリア問題等で独自路線を強行。中国の習近平氏は海洋進出の手を緩めません。イギリスのメイ首相は欧州委員会に対しEU離脱通告し「内向き・国内主義・保護主義」に入りました。これら大国のリーダーは揃って暴れん坊の印象があります。喧嘩されても困るし、仲良く手を組まれても困るという感じです。
 またこれまでの自由主義、民主主義社会の綻びも起きています。極端な富の偏在による格差社会が指摘され、民族宗教対立も激増しています。極端に一方に振れた振り子の揺り戻し現象だけでは理解できませんし解決できそうもありません。
 これら課題を抱える国に特徴的なのは、メイド・イン・ブランドの「ものづくり産業」がないことです。石油や鉄鋼、価格競争に頼るだけの国は技術や雇用にも限界があります。新たな拡大再生産に繋がらないのです。

日本を救うのは匠の技
 匠の技が日本を救う基本であることを日本政府も早く気づいて欲しいものです。
 4月12日に開催された自民党との懇談会でも強く要請してきました。
 昨年8月には東京都と全国技能士のお力添えで、「匠の技の祭典2016」」が東京国際フオーラムで開催されました。全国各地から参加した名工達の匠の技に3万6千人もの来場者が驚き、感動しました。これぞ日本の技、日本の誇る宝です。
 今年も8月9日から3日間、「匠の技の祭典2017」を開催いたします。この祭典は2020年の五輪開催年まで実施されると聞いております。全技連マイスター会としても絶好の機会と捉え、今年は来場者に「全技連マイスター会」の存在を伝えられるような取り組みを考えております。

今後1年の活動基本を決める指針
 ここ数年、全技連マイスター会各支部の活動は増加傾向にありますが、まだ十分とは言えません。今後も地域の「ものづくりリーダー役」として魅力ある活動が期待されます。
 日々の活動・タイムリーの情報を会員相互に共有するとともに、広く人々にその情報を的確に知ってもらうことが、全技連マイスター会の姿を知らしめる有効なことと考えております。このため、「全技連マイスター会ホームページ」立上げます。今年度中には、ぜひ実現したいと考えております。
 今年度の全技連マイスター会通常総会は、平成29年度の事業・予算及び理事の補充人事等の決定と、全技連マイスター会功労章受章者の報告等を予定しております。今後1年の活動を決める指針となるものでございます。よろしくご審議いただきたいと思います。
 課題山積の全技連マイスター会ですが、日本の匠の技発展、継承のために大きな夢を持って活動してまいりましょう。
 平成29年度全技連マイスター会通常総会の会長挨拶とさせていただきます。